Netflix、休眠アカウントに継続意志確認
おはようございます。Bobuoです。
今朝はいま話題となっている「Netflix、休眠アカウントに継続意志確認を行う」というテーマについて書いていきます。
これはNetflixが、休眠アカウント(1年以上利用していないユーザー)に対して、継続意志の確認通知を送り、放置されればそのままキャンセルになるという仕組みです。
僕はこの取り組みはとても良いなと思うと同時に、Netflixがしたたかだなとも感じました。
受けるダメージに対して、プラスになることが大きい
このニュースをみて、瞬間的に「Netflixは身を削ってまでユーザーファーストの対応をしてくれる」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
言ってしまえば、休眠状態のユーザーに継続意志確認を行わなければ、料金は支払われ続けるわけで、Netflixにはお金が入っていきます。
(※Netflixさんはそんな悪いことを考えないと思います!)
でもそこをわざわざ継続意志確認をとって、無視されればキャンセル扱いにしてしまうという形に変更したのです。
これを良心的だと思うのは自然な流れだと思います。
ただ、冷静に考えてみるとむしろプラスになることの方が多いんじゃないかと思いました。
それぞれ考えられるメリット・デメリットを簡単に整理します。
メリット
・ユーザーの加入に対する心理的ハードルが下がる
Netflixは月額〇円みたいなサブスクリプションモデルを採用しているのですが、この種の課金形態では、繰り返し継続的に利用しないとユーザーにとっては損(元を取れない感じ)になるので、加入するときに「継続して利用するか?」という軸で考えることが多いはずです。
これに対して、「利用していなければ通知をくれるんだ」「放置し続けると自動でキャンセルにしてくれるんだ」と思えると、心理的ハードルは下がって入会しやすくなります。
・印象が悪くなることを防げる
利用していないのにお金を支払っていたことに気づいた(思い出した)ユーザーは、損をした気分になり、批判的なコメントをする可能性があります。
勿論、放置していたユーザーが悪いのですが、こういった批判は広がりやすく印象は悪くなってしまいます。
なので、この取り組みはそういった不本意な形での印象悪化を防ぐ効果もあります。
・作品を仕入れやすくなる
専門家ではないので実際にどうかわかりませんが、こういった効果もあると思っています。
というのも、休眠ユーザーを減らすことで、ユーザーの稼働率が高い動画配信サービスだと認識され、プラットフォームとしての魅力が上がるからです。
コンテンツが充実すると魅力が上がり、加入者の増加も見込めます。
デメリット(一つにまとめてます。)
・退会者が増える/コストがかかる
シンプルにこの取り組みによって退会する人、というのがでてきます。
また、継続意志の確認通知やキャンセル手続きには少なからずコストがかかります。
今までこの部分のコストは存在しなかったわけですから、純増分のコストとなります。
休眠状態の定義
このような形で、メリットとデメリットがそれぞれ挙げられます。
これらを比較した時に、(恐らく大差で)メリットの方が大きいと思うのが僕の意見です。
というのも、そもそも継続意志確認の対象者(退会する可能性がある人)の数が少ないからです。
メンバー全体の0.5%に満たないと言われています。
そうすると、上に挙げたデメリットが大したデメリットではなくなります。
ここで重要なのが、なぜこんなに休眠状態の人が少ないのか?
それは、
休眠状態=入会後1年以上使っていない、あるいは2年間使っていないユーザー
と定義しているからです。
これらのユーザーしか対象にしていないのです。
個人的には1年は少し長い気がしていて、半年くらい利用していないユーザーも休眠アカウントとして対象にしても良いんじゃないかと考えています。
そうしたほうが「利用していないユーザーからはお金を取りたくない」という良心的な考えにマッチしています。
なので、1年以上利用していないユーザーに絞るのは限定的すぎる気がしていて、且つ、それに対してこの取り組みがもたらす漠然とした印象の良さが大きすぎる気がしています。
抽象的に言うと、実際の取り組み内容とそれが与えるプラスな印象の間にあるギャップが大きいので、結論利益のほうが大きくなると思います。
まとめ
今回はNetflixのアクションについてお話をしていきました。
最終的には、「事実とそれが与える影響にまたがるギャップ」という抽象的な所に行きつきました。。
このテーマに軸足を改めて戻すなら、結論、
今回のNetflixの取り組みは彼らにとってプラスなことが大きく、よく考えられていて感心したということです。笑
個人的にはこのテーマに結構大事なことが隠れている気がしているので、噛みしめていきます。